香港とマカオの違いについてしっかり解説!歴史や産業から食文化まで理解しよう




今回は香港とマカオの違いについてお伝えします。

海外に興味がある人:香港とマカオの違いについて知りたいです。過去に植民地だったと聞いたことあるけど、どんな経緯だったのか気になります。他にも産業や食文化についても解説してほしいです。

こういった疑問に異文化交流や国際交流に興味のある筆者がお答えします。

この記事を読めばこんなことがわかります。

  • 香港とマカオの基本情報について
  • 香港とマカオの歴史や文化、産業について
  • 香港とマカオのエッグタルトの違いや食文化について

 

香港とマカオは、どちらもヨーロッパの文化もおり混ぜながら独自の発展を遂げてきました。

そんな、香港とマカオについて学んでいきます。

Contents

香港について

香港は、高層ビルが建ち並ぶ金融の街として知られています。

正式名称:中華人民共和国香港特別行政区

面積 1,110平方キロメートル(東京都の約半分)

人口 約740万人(2021)

民族 中国系(約92%)

言語 広東語、英語、中国語(マンダリン)ほか

通貨 香港ドル

香港は、マカオと同じく日本から飛行機で4〜5時間で行くことのできる距離となっています。

香港は、

香港島

九龍

新界

といった3つのエリア。

さらには、200以上もある小さな島々から成り立っています。

公用語はマカオと同じく広東語ですが、過去に香港はイギリスの植民地時代だったこともあり英語も話せます。

マカオと香港に住む人たちのルーツは、どちらも中国の広東省からの移民から構成されています。

香港とマカオで使われている漢字についてですが、

中国は簡体字という簡略化された漢字を使うのに対して、マカオと香港は繁体字という画数が多い漢字が使われています。

また、中国からマカオと香港に入るにはパスポートのチェックが必要です。

マカオについて

マカオは3つのエリアから成り立っているカジノの街として知られています。

正式名称 中華人民共和国マカオ特別行政区

面積 32.9平方キロメートル(東京都の約60分の1)

人口 約68万3千人(2020年末時点)

民族 中国系、フィリピン系、ベトナム系、ポルトガル系

言語 中国語(主に広東語)、英語、ポルトガル語

通貨 マカオパタカ

マカオは、日本から飛行機で4〜5時間で行けることができる距離です。

3つの島というのは、

マカオ島

タイパ島

コロアン島

で成り立っています。

また、離島の間を埋め立てたて作られたコタイという統合リゾートエリアがあります。

公用語は広東語なんですが、以前にポルトガルの植民地だったこともありポルトガル語も話されています。

香港とマカオの歴史や文化の違いについて

香港とマカオは、それぞれヨーロッパの植民地でした。

香港はイギリス、マカオはポルトガルの植民地となっていました。

そのため、どちらも歴史や文化の発展に関して両国それぞれの影響を受けています。

香港はイギリスの元植民地

香港は1842年から1997年までの間、イギリスの植民地でした。

さらに、イギリスから資本主義が持ち込まれて、貿易や金融の拠点として発展していきました。

マカオよりも香港が先に植民になっています。

当時の清がアヘン戦争でイギリスに敗れました。

そこで香港が割譲されることになったんです。

そんな香港ですが、現在も使われている通貨は香港ドルとなっています。

貿易や金融の中心として発展していきイギリス文化の根付いています。

マカオはポルトガルの元植民地

マカオは1862年から1999年までポルトガルの植民地でした。。

そのあとは、ポルトガル人が定住し、日本や東南アジアへ向けた貿易などの拠点として発展していきました。

マカオは、きらびやかでお金持ちが集まる、カジノの印象があります。

ただ、繁華街以外の街を見てみると、ポルトガルの影響もあり、ヨーロッパを感じさせる雰囲気を感じられます。

2005年7月には、「マカオ歴史市街地区」が世界文化遺産として登録されました。

この地区は、22か所の歴史的な建造物と8か所の広場を含んだエリアとなっています。

道路標識には、中国語とポルトガル語の2つの表記されているなど、ポルトガルの街も感じることができます。

香港とマカオの産業の違いについて

香港の産業はアジアの貿易と金融の中心

金融に関心がなければあまりわからないかとおもいますが、香港のアジアの金融の街として有名です。

世界の金融センターの競争力を指標化するGFICの結果によると、

2022年3月のランキングでは香港が世界3位、アジアの中では堂々の1位に輝いています。

金融からみた香港の魅力としては、低税率であり、世界中の人々を受け入れる姿勢となっています。

このことにより、香港は貿易や金融の中心拠点としても世界各国に良い影響を与えました。

マカオの中心はカジノや世界遺産などレジャー

マカオのカジノはポルトガルから伝わった賭博がルーツです。

なぜ、カジノが合法化したかというと、ヨーロッパ諸国との貿易を香港に先に越されてしまいました。

そこで、マカオも負けてられないと経済成長を促すために、マカオ政府が1847年にカジノ業を合法化しました。

一方で、香港では賭博が禁止されています。

マカオの農工業は成長の見通しがよくなかったので、マカオはカジノ業を中心にせざるを得なかったんです。

返還された後はアメリカからの後押し、中国人富裕層の後押しもあり2006年にカジノの売上が世界一になっています。

【食文化】香港式エッグタルトについて

香港とマカオはヨーロッパの食文化も残っていることもありエッグタルトも、それぞれの名物グルメとなっています。

まずは香港式エッグタルトの特徴をお伝えします。

香港式の特徴①:パイ生地かクッキー生地を使っている

香港式エッグタルトの生地には大きくわけて、

  1. 酥皮蛋撻(パイ・エッグタルト)
  2. 曲奇蛋撻(クッキー・エッグタルト)

 

の2つに分かれています。

パイ生地の方はラードを使っておりサクサクした食感を楽しむことができます。

飲茶や茶餐庁と呼ばれる香港の喫茶店などではパイ生地スタイルがよく販売されています。

クッキー生地のエッグタルトはバターの芳醇な香りとクッキーに似ている食感を楽しむことができベーカリーショップに多く販売されています。

どちらのタイプも時間が経ってしまうと生地がしなっとなってしまうので、できるだけ早めに食べることをおすすめします。

わたしも買ってその場で立って食べました(笑)

できたてならさらにおいしいと思いますよ。

香港式の特徴➁:表面に焼き目がなくツルツルしている

香港式エッグタルトの見た目で一番分かりやすい特徴は焼き目が付いておらずツルツルきれいに仕上がっています。

まるでワックスをかけたような床(笑)

中身はプルプルで、どちらかというとプリンのような感じ?って印象も受けました。

プルプルでトロトロなので食べる時にこぼしてしまわないように注意しましょう。

マカオ式エッグタルトについて

続いてマカオ式エッグタルトの特徴を見てみましょう。

マカオ式の特徴①:パイ生地を使用

外はサクサクでパイ生地を使った土台はバターの風味が効いています。

中身は卵と生クリームの風味が濃厚で程よい甘さに仕上がっています。

マカオ式の特徴➁:表面に焼き目がついている

表面に少しこんがり焼き目が入っているのがマカオ式のエッグタルトのいちばんの特徴です。

マカオのエッグタルトは「葡式蛋撻」と現地では呼ばれています。

葡とは「ポルトガル」を意味する感じでポルトガルスタイルのエッグタルトです。

香港の食文化とエッグタルト

香港はかつてイギリスの植民地だったということもありヨーロッパの食文化も融合しています。

香港式エッグタルトはヨーロッパから伝わったといわれているお菓子です。

1940~50年代に香港のレストランで提供されるようになりました。

エッグタルトは香港では蛋撻(ダンタッ)と呼ばれるようになり有名になりました。

今では香港を代表する有名な香港スイーツとして世界に知られています。

エッグタルト以外にもポーローパオといったメロンパンのようなパンや香港式のフレンチトースト、香港式ミルクティーなど洋風チックな食文化がたくさんあります。

香港人にとってスイーツと香港式ミルクティーの組み合わせは最高のティータイムなんです。

マカオの食文化とエッグタルト

かつてポルトガルの植民地だったマカオには、数多くのポルトガル料理が伝えられています。

マカオ料理も香港同様に西洋の食文化が垣間見えます。

エッグタルトもそのひとつなんです。

もともとは「パティス・デ・ナタ」というポルトガルでは伝統的な庶民のお菓子がマカオに持ち込まれて、それをアレンジしたのがエッグタルトといわれています。

さらに大航海時代にポルトガルがマカオに到着するまでの過程にアフリカ、インド、マレー半島など立ち寄りつつマカオやってきたといわれています。

その地域の食材や調理法がとさまざまな食文化が融合し独自のマカオ料理が誕生したともいわれています。

香港式エッグタルトが食べられるお店

香港では街中のパン屋さんでも売っていますが日本ではなかなか見かけませんよね。

そんな香港式エッグタルトが食べられるお店を紹介します。

香港贊記茶餐廳(ホンコンチャンキチャチャンテン)【東京・飯田橋】

まるで現地に行ったような感覚になれる香港カフェです。

店員さんもお客さんもほとんどが香港人?中華系の人たち。

中国語が飛び交っていて昼下がりにはみなさんおしゃべりをしながらティータイムを楽しんでいます。

泰昌餅家(タイチョンベーカリー)【香港】

香港では名の通ったエッグタルトのお店です。

香港スタイルのエッグタルトの超有名店です。

1954年に創業し、長い間愛されている老舗。

香港のガイドブックの常連で、いつもお店の前は若い女性で賑わっているとのこと。

マカオ式エッグタルトが食べられるお店

続いてマカオ式のエッグタルトが食べられるお店を紹介します。

アンドリューのエッグタルト【大阪など】

日本では大阪・神戸など西日本をメインにお店があります。

関東には出店していないようです。

卵と生クリームをたっぷり使用したリッチな味わいがおいしいです。

本場のマカオや香港では「澳門安徳魯餅店(Lord Stow’s Bakery)」(ロード・ストウズ・ベーカリー)という名称でお店があります。

エッグセレント【東京・羽田空港、表参道、白金】

エッグベネディクトで有名なお店ですがエッグタルトも評判がいいようです。

ここのエッグタルトは焼き目のあるマカオ式です。

ナタ・デ・クリスチアノ【東京・代々木八幡】

マカオ式エッグタルトが食べられるポルトガル菓子店です。

行列ができることもあるという人気店です。

補足①:エッグタルトの賞味期限

エッグタルトは日持ちしないので買ったらすぐに食べるようにしましょう。

サイズもコンパクトなので食べ歩きには最適なスイーツなのでその場で食べられます。

ただし、中身がプルプル、トロトロなのでこぼさないように(笑)

現地であれば街並みを眺めながら味わうのもアリですね。

お土産として持って帰る際はお土産用に冷凍のものがあれば、そちらを選んだ方がいいでしょう。

食べる時はトースターで温めるとサクサクな出来立て感を楽しめます。

あまり焼きすぎると焦げてしまうので適宜確認しながら温めましょう。

補足②:わかりやすい違いはこんがり焼き目があるか、ないか

香港とマカオの食文化も踏まえながら2つのエッグタルトの違いについてお伝えしました。

ポイントとしては、

☆香港式

  • 焼き目がない
  • パイ生地とクッキー生地

 

☆マカオ式

  • 焼き目がある
  • パイ生地のみ

 

わかりやすい違いはこんな感じです。

見た目で分かりやすいのは焼き目があるかないかですね。

中身に関しては、そんなに大差は感じませんでしたがお店にもよると思いますが香港式の方がプルプルしていてやわらかい印象でした。

みなさんもぜひ香港式とマカオ式のエッグタルトを食べ比べしてみてくださいね!

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【まとめ】香港とマカオはヨーロッパの文化も根付く活気ある地域

香港はイギリス、マカオはポルトガルといったように、それぞれヨーロッパの文化も根付いています。

さらに、香港は金融や貿易の拠点として、マカオはカジノの合法化などで産業を発展させてきました。

食文化に目を向けてみても、ヨーロッパならではの要素もしっかり残っており、名物グルメとして定着しています。

このような世界の文化を知ることで、国際交流の際にも役立つはずです。

ということで、今回は以上です。